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いけばな


こんにちは研究の中西京介です。
先日、東京の有楽町で開催されていた日本香粧品学会に参加してきました。
香粧品学会は香粧品を科学して、安全性、健康な肌を維持するための有効性を研究することを目的としており、皮膚科医、化粧品企業の研究者、薬学研究者など様々な人が参加しています。

学会は口頭発表やポスターセッションを中心に進められますが、その中に特別講演という業界の枠を超えて交流をおこなう時間が設けられています。個人的に素晴らしいプレゼンテーションだと感動したものがありました。

華道「未生流笹岡」家元である笹岡隆甫さんが講演された
いけばな~花の哲学・花の縁・花が結ぶ人の縁~ というプレゼンです。

一番印象的なフレーズは「いけばなを知ることは日本を知ることだ」という自信に満ちた力強い言葉でした。西洋と日本を比較することで日本について深く知ることができました。

西洋のいけばな(フラワーアート)は足し算。最高の空間を演出するために満開の花を用います。それに対し、日本のいけばなは引き算。つぼみを用いることで時間のうつろいを感じていただくという日本人の哲学を表現します。また、いけばなでは完全な左右対称ではなく左右非対称が好まれる傾向があります。それは、日本人はレオナルド・ダ・ヴィンチのような何でもできる天才よりも、1つのことに才能があるがその他のことは少し苦手というような人間らしい人(未完成)を好む傾向があるからだそうです。確かに、「いけばなを知ることは日本を知ることだ」と実感し、改めて奥が深いなと感じました。

最後に、今後のいけばなはどのように変化していくかという質問に対して、いけばなを日本人が海外の人のような目でみているので良さをしっかり伝えなければとおっしゃっていました。また、山なみや古建築のような日本人が忙しい中でも一瞬ゆっくり過ごすことができる空間(時間)を残さなければならないと。静かな語り口調でしたが内にとても熱い思いを感じました。

業界の枠を超えて人と人がぶつかるところに文化が生まれるように、とても刺激的なプレゼンテーションで開発心が燃えました。ありがとうございました。

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